「平和を守る暗殺者」舞台の台本一部公開 ※スマホ対応ver

平和を守る暗殺者

11月本番のアクトスピア第4回主催公演
「平和を守る暗殺者」の
台本を一部公開しています

オーディションへの参加や、観劇の参考にして頂けたら幸いです

※スマホ用にページを作成しています
 PCで閲覧される方はこちらをご覧ください

募集要項

こちらのページにまとめています

公演概要

企画・制作:アクトスピア
脚本・演出:清原大夢
本番期間:11/1(火)~11/6(日)
公演期間:11/3(木・祝)~11/6(日)
     全8公演を予定
会場:新中野ワニズホール
  (東京都中野区本町4-35-10渡辺ビル  
   B1F)
   ※東京メトロ丸の内線「新中野駅」3
    番出口から徒歩3分
チケット種:一般チケット 2,500円
      特典付き応援チケット 4,500円
      ※予約したキャストさんのコメ
       ント入りソロチェキが付きま
       す
公演時間:本編75分+準備5分+トークイベ
     ント10分=約90分
物販種:キャストブロマイド 600円
    台本 1,500円
    アクトスピアTシャツ⇐検討中

ワンライン:死にたくない主人公が平和を守
      る為にテロリストと戦う事にな
      る

あらすじ

主人公のテンは、襲撃してきたテロリストを返り討ちにした後、意識を失ってしまう。次に目を覚ました時、そこは秘密裏にテロリストと戦う特殊暗殺班の本部だった。ごく普通の大学生活を送っていたテンに、死刑になるか暗殺をするかの究極の二択が迫る。死にたくなければ戦え。テロの脅威はすぐそこに迫っている。この国の平和を守る為に立ち上がる事が出来るのか。

Aチーム(主人公が男性ver)台本

【登場人物】
※衣装のイメージは仮確定。キャストによって変動

テン男性・19)
 主人公。大学生。父親(ゼロ)を目の前で
 殺されている
 部屋着・動きやすい服装

ボス女性・30)
 テロリストのボス。眼帯をしている。国の
 未来の為に戦う
 シャツ+ パンツ+ コート(袖を通さない)
 + 眼帯

班長女性・28)
 特殊暗殺班二代目班長。ゼロが死んだ事に
 より、班長に就任した
 シャツ+ パンツなどのシンプルな恰好

パイ女性・22)
 特殊暗殺班情報処理担当。明るい性格。酒
 好き
 かわいい系の服装。赤いリップ

ロー男性・24)
 テロリスト。ボスに忠誠を誓っている。敬
 語が苦手
 黒系で動きやすい服装

園田男性・35)
 内閣安全保障テロリスト対策課課長。スー
 ツ+ 青ネクタイ


【セットの説明】
舞台上、上手側に2~3つの椅子(スツール)が置いてある
※稽古にて詳細な場所は確定

【用語の説明】
上手=舞台に向かって右の方※舞台上にいる   
   場合は左手側
下手=舞台に向かって左の方※舞台上にいる
   場合は右手側
はける=舞台上からいなくなる事
暗転=照明を落として場面転換する事
SE=効果音

お客様への諸注意は事前に録音した物を流す。開場中の音楽が鳴っている。開演時間
になったら暗転。音楽も大きくなる

1場 テンの家

    暗転中にテンが登場。手に(父親
    の)銃を持ち、部屋着の格好で、舞 
    台中央に座っている。音楽が流れて
    いる最中にテンが泣き始める。音楽
    が徐々に小さくなる

 照明が点く

    テンの父親(トクサツの初代班長ゼ
    ロ)が4人のテロリストに襲撃され
    て殺されてしまった。その内の2人
    を父親の銃で返り討ちにしたテン。
    目の前には父親とテロリスト4人、
    計5人の死体が横たわっている

    (父親の死と人を殺した事に対し
    て)泣いているテン

テン「(父親の死体を見ながら)父さん、
   俺、俺」

    泣いている途中に(ショックで)意
    識を失うテン。そこに(ゼロの暗殺
    を阻止する為に)銃を構えた班長が
    登場。衣装はシャツ+ パンツなどの
    シンプルなもの

班長「班長!(班長の死体を見て)遅かった
   か」

    班長が周囲を警戒しながら安否確認
    の為にテンに近づいて座る

班長「(肩を揺すりながら)大丈夫?」

    班長がテンの脈を首で調べる。班長
    が安堵の表情を浮かべる。(園田
    に)電話をかける班長

班長「(状況は?)班長とテロリスト4名の
   死亡を確認しました(間に合わなかっ
   たか)申し訳ありません。私がもっと
   早く気づいていれば(悔やんでも仕方
   がない、その他に報告はあるか?)生
   存者が一名、班長の息子さんです。至
   急応援を(わかった、すぐに人を向か
   わせる)よろしくお願いします」

    電話を切って、班長がテンに近寄
    り、(状況を確認する為に)テンの
    横から目の前の死体を見る

班長「4人の内、2人は眉間を撃ち抜かれて
   死んでる。この正確さは班長によるも
   の、でも後の2人は(テンの方を見な
   がら)まさか」

    そこに、逃げたテロリストを追って
    いたパイが登場。衣装は可愛い系の
    服装+ 赤リップ

パイ「ごめんなさ~い。(テロリストに)逃
   げられちゃいました~。班長は?」

   (質問に答えるように)首を振る班長

パイ「惜しい人を亡くしましたね~」
班長「(立ち上がって)そんな言葉で片付け
   ないの。トクサツにとって緊急事態な
   んだから」
パイ「(テンに近づきながら)ごめんなさい
   (座って部屋を見回しながら)もしか
   してこの子が?(テンが持っている銃
   を取りながら)これで?」 
班長「そうかもしれない」

 暗転

    主題歌が流れる。3人がはける。あ
    る程度流して音を小さくする

2場 テロリストのアジト

    暗転中に(ボスが撃った)銃声(S
    E)が鳴る

 照明が点く

    (現場から逃げた同志を殺した後
    に)ボスが拳銃を手にして登場。衣
    装はコート+ シャツ+ パンツ+ 眼
    帯でコートには袖を通さない

ボス「役立たずが」

    そこに(ボスに呼ばれた)ローが
    (殺された同志を見ながら)登場。
    黒系で動きやすい服装

ロー「なんで、カイ、殺した?」

   (ため口に怒って)ローに銃を向ける

ボス「ため口」
ロー「(少し考えて)なんで、カイを殺した
   のですか?ゼロは、始末したのに」
ボス「(銃をおろして)目撃者を残して逃げ
   帰ってきたからだ。我々はこの国の未
   来の為に命をかけて戦っている。強い
   信念を持たない駒はいらない」
ロー「でも、デルタ様」

    (デルタという名前を呼んだ事に怒
    って)ローに銃を向ける

ボス「その名前で呼ぶなと言ったはずだ、死
   にたいのか?」
ロー「ごめん、なさい、ボス」
ボス「ゼロを始末したのは、計画の始まりに
   過ぎない。我々の目的は、邪魔なトク
   サツを壊滅させて、北条総理大臣の命
   を奪い、正義の名の下にこの国の未来
   を変える事。忘れたわけではないだろ
   うな」
ロー「忘れてません。お願いします。銃を、
   おろしてください」
ボス「次はないぞ、ロー」

    ゆっくりと銃をおろすボス

ロー「それで、俺は何をすれば?」
ボス「我々の同志を2人も葬ったゼロの息子
   が、トクサツに保護されている。そい
   つをここに連れて来い」
ロー「連れて?始末では?(ため口に気づ
   き)ないのですか?」
ボス「あの厳しい訓練を積んできた2人の命
   を奪ったんだ。そいつ(テン)は我々
   の優秀な駒になるかもしれない」
ロー「偶然では?(ため口に気づき)ないの
   ですか?」
ボス「だとしても、自分の意志で引き金を引
   いたのは事実。(持っていた銃を差し
   出して)ただし、使い物にならないと
   わかったら始末しろ。生かしておけば
   我々の障害になるかもしれない」
ロー「(銃を受け取りながら)わかりまし
   た」
ボス「トクサツに潜入出来るように、フォロ
   ーを頼んでおく、絶対に失敗するな
   よ」
ロー「俺、あいつ嫌いです」
ボス「子供みたいな事を言うな、これは仕事
   だ。死にたくなければ、結果を出し続
   けろ。今回の襲撃が成功したら、昇格
   させてやる」
ロー「行って、きます」

    ローがはける。ボスが(スパイに)
    電話をかける

ボス「ローがそっちに向かった。頼んだぞ」

 暗転

    ボスがはける

3場 特殊暗殺班本部・監禁室

    拘束されたテン(手枷をしている)
    が上手側の椅子に座ってスタンバイ
    する。班長が下手の端にスタンバイ
    する

 照明が点く

    意識を失った状態で上手の椅子に座
    っているテン。下手側には腕組みを
    して監視している班長。そこに電話
    がかかって来る。携帯のバイブ音
    (SE)。電話に出るか一瞬ためら
    うが、出る事を決めて、下手側には
    ける

テン「(目を覚まして部屋の中を見回す)ど
   こ?(手枷を見て)なんだよこれ」

    テンが手枷を外そうとするが、外れ
    ない。(恐る恐る)立ち上がる。下
    手側(ドア)に向かう。鍵が閉まっ
    てる事を表現する(SE)が流れ
    る。舞台上に戻るテン

テン「(鍵が)開いてるわけないか」

    他の出口を探る為に壁を調べる

テン「ダメか、(上手側に向かいながら)確
   かトイレに行こうとして、一階に降り
   て、大きな音がして、それから、それ
   から」

    上手側を向きながら、(記憶が戻り
    かけて)頭を押さえてうずくまる

テン「それから、それから、それから」

    下手側から課長の園田が登場。衣装 
    はスーツ+ 青ネクタイ

園田「おい、大丈夫か?」

    園田がテンの肩を叩く。テンが驚
    き、大きな声を出しながら勢いよく
    立ち上がる。その声に驚き、大声を
    出して尻もちをつく園田。そこに班
    長が(声に驚き)入ってくる

班長「園田課長どうしました?(固まってい
   る二人を見て)何してるんですか?」

    我に返った園田が立ち上がりスーツ
    を正す。テンも(恐る恐る)班長と
    園田の方を見る

園田「こいつがゼロの息子か、意識がまだ戻
   ってないと聞いていたが」
班長「尻もちをついていましたね」
園田「座っていただけだ」
班長「うわぁ(園田の叫び声をマネする)っ
   て声が聞こえましたけど」
園田「こいつの叫び声だ」
班長「2人分聞こえましたけど」
園田「この事を誰かに言ったら、お前をクビ
   にする」
班長「パワハラですか?」
園田「そうだ」
班長「就任初日でクビになった二代目班長が
   いたって伝説は残したくないんで、墓
   場まで持っていきます」
園田「伝説じゃない、汚点だ」
テン「あのー、あなた達は誰なんですか?こ
   こはどこなんですか?なんで俺はこん
   な物をつけられているんですか?
   (段々と興奮していく)」
班長「忘れてた。(テンに近づきながら)興
   奮しないの、私は特殊暗殺班、通称ト
   クサツの二代目班長、(園田を見なが
   ら)尻もちの人は」
園田「(尻もち発言に怒って)クビになりた
   いのか?」
班長「スーツでかっこよく決めているのが、
   内閣安全保障テロリスト対策課の課
   長、園田さん。そしてここは、トクサ
   ツ本部の地下にある監禁室。そして」
テン「(班長の言葉を遮るように)ちょ、ち
   ょっと待ってください!監禁?暗殺?
   テロリスト?俺、何かやったんです
   か?お願いします。殺さないでくださ
   い(土下座をする)」
園田「おい、様子おかしくないか?」
班長「(テンの前に座りながら)何も覚えて
   ないの?」
テン「トイレに行こうと一階に降りて、大き
   な音がして、それから」
班長「その大きな音は、おそらく銃声」
テン「銃声?」
班長「あなたのお父さんは、トクサツの初代
   班長だった人。その班長を4人のテロ
   リストが襲撃した。その内の2人は班
   長が、そして残りの2人をあなたが殺
   した」
テン「(混乱して)全然ついていけない」
班長「あなたに残された選択肢は2つ。1つ
   はこのまま死刑になる事」
テン「もう1つは?」
班長「私達の仲間になって、テロリストと戦
   う事」
園田「おい、何を勝手な事を」
班長「(園田の方を向いて)テロリストは相
   当な訓練を積んでいたはずです。能力
   の無い人間が偶然倒せる相手ではあり
   ません。それに、抜けた穴を早く埋め
   ないと」
園田「だからって、一般人を班に加えるわけ
   にはいかない。ましてや、記憶を失っ
   ている状態じゃ足手まといだ」
班長「私がなんとかします」
テン「どっちも無理です。死にたくないし、
   戦いたくもない」
班長「この国の平和を守りたいと思わない
   の?」
テン「思いません。これは、悪い夢だ。朝起
   きたら、トイレに行って、顔を洗っ
   て、歯を磨いて、朝食を作って、父さ
   んと一緒に食べて、大学に行って、バ
   イトに行って、夢なんですよね?こ
   れ、どうやったら覚めるんですか?教
   えてください。俺は、俺は(頭を抱え
   る)」
園田「記憶が戻ったら連絡しろ。その時の状
   況によって判断する」

    園田が下手側にはける

班長「(テンに近づきながら)残念だけど、
   これは夢じゃない。現実なの」
テン「父さんに会わせてください」
班長「それは無理。あなたを守る為に殺され
   たから」
テン「嘘だ、俺を、その特殊なんたら班に入
   れる為に、嘘をついているんだ」
班長「特殊暗殺班、通称トクサツね」
テン「(班長に掴みかかりながら)父さんに
   会わせろ、父さんに会わせろ、父さん
   に会わせろ」
班長「(テンの腕を掴みながら)私も会いた
   い」

    班長の表情を見て、手を離すテン

班長「あなたのお父さんは、とても勇気があ
   って、とても強くて、とても優しかっ
   た。あなたにもその意志が受け継がれ
   ているはず。班長はいつも私達に、そ
   して自分自身にいつもこう言ってい
   た。死にたくなければ戦えと」
テン「俺には、出来ない」
班長「出来る。現に2人のテロリストを倒し
   てる」
テン「覚えてない(ダンゴムシみたいにな
   る)」
班長「じゃあ、思い出せるまで班長の話をし
   てあげる」

    そこにパイ(トクサツの情報処理担
    当)が交代の為に来る

パイ「(酔っぱらってふらふらしながら)班
   長~、交代の時間で~すよ」
班長「もうそんな時間か(パイの方を向く)
   また飲んでるの?」
パイ「(班長に近寄って)そんなに飲んでま
   せんよ~」
班長「(鼻をつまみながら)酒臭い」
パイ「大丈夫ですって、私、お酒強いですか
   ら」
班長「仕事中は、ほどほどにね」
パイ「(班長から離れて)目を覚ましたんで
   すね彼」
班長「でも、事件前後の記憶をなくしてる」
パイ「記憶が戻らなかったらどうなるんです
   か~?」
班長「死刑になる」
パイ「かわいそ~。思い出させてあげたい」
班長「お願いね(あくびをしながら)肌に悪
   いから少し寝る」

    班長が下手側にはける

パイ「(テンにゆっくり近づいて座る)なん
   か、ダンゴムシみたいだね~」
テン「(パイを見ながら)あんたも、くさ
   っ」
パイ「酒くさって言って、くさっ、だけだと
   傷つく」
テン「(鼻をつまみながら)あんたも特殊な
   んたら班なのか?」
パイ「(立ち上がって)特殊暗殺班だよ~。
   通称はトクサツ。トクサツ、トクサ
   ツ、トクサツ、トクサツ、トクサツ、
   トクサツ、トクサツ、トクサツ、トク
   サツ」
テン「(イラっとして途中で遮る)もう覚え
   たよ」
パイ「ほんと~、覚えてくれて嬉しい~」

    (ローが撃った)銃声(SE)が鳴
    る。パイが倒れる

テン「(目の前で起きた事に驚き)え?(パ
   イに近づきながら)大丈夫ですか?」

     続く

Bチーム(主人公が女性ver)台本

【登場人物】
※衣装のイメージは仮確定。キャストによって変動

テン女性・19)
 主人公。大学生。母親(ゼロ)を目の前で
 されている
 部屋着・動きやすい服装

ボス男性・35)
 テロリストのボス。眼帯をしている。国の
 未来の為に戦う
 シャツ+ パンツ+ コート+ 眼帯

班長男性・31)
 特殊暗殺班二代目班長。ゼロが死んだ事に
 より、班長に就任した
 シャツ+ パンツ+ サスペンダーなどのシン
 プルな恰好

パイ男性・28)
 特殊暗殺班情報処理担当。女性の言葉を使
 う。酒好き
 綺麗系の服装。赤いリップ

ロー女性・22)
 テロリスト。ボスに忠誠を誓っている。た
 まに抜けている
 黒系で動きやすい服装

園田女性・35)
 内閣安全保障テロリスト対策課課長。スー
 ツスタイル

【セットの説明】
舞台上、上手側に2~3つの椅子(スツール)が置いてある
※稽古にて詳細な場所は確定

【用語の説明】
上手=舞台に向かって右の方※舞台上にいる
   場合は左手側
下手=舞台に向かって左の方※舞台上にいる
   場合は右手側
はける=舞台上からいなくなる事
暗転=照明を落として場面転換する事
SE=効果音

お客様への諸注意は事前に録音した物を流す。開場中の音楽が鳴っている。開演時間
になったら暗転。音楽も大きくなる

1場 テンの家

    暗転中にテンが登場。手に(母親
    の)銃を持ち、部屋着の格好で、舞
    台中央に座っている。音楽が流れて
    いる最中にテンが泣き始める。音楽
    が徐々に小さくなる

 照明が点く

    テンの母親(トクサツの初代班長ゼ
    ロ)が4人のテロリストに襲撃され
    て殺されてしまった。その内の2人
    を母親の銃で返り討ちにしたテン。
    目の前には母親とテロリスト4人、
    計5人の死体が横たわっている

    (母親の死と人を殺した事に対し
    て)泣いているテン

テン「(母親の死体を見ながら)お母さん、
   私、私」

    泣いている途中に(ショックで)意
    識を失うテン。そこに(ゼロの暗殺
    を阻止する為に)銃を構えた班長が
    登場。衣装はシャツ(サスペンダー
    検討)+ パンツなどのシンプルなも
    の

班長「班長!(班長の死体を見て)遅かった
   か」

    班長が周囲を警戒しながら安否確認
    の為にテンに近づいて座る

班長「(肩を揺すりながら)大丈夫か?」

    班長がテンの脈を手首で調べる。班
    長が安堵の表情を浮かべる。(園田
    に)電話をかける班長

班長「(状況は?)班長とテロリスト4名の
   死亡を確認しました(間に合わなかっ
   たか)申し訳ありません。俺がもっと
   早く気づいていれば(悔やんでも仕方
   がない、その他に報告はある?)生存
   者が一名、班長の娘さんです。至急応
   援を(わかった、すぐに人を向かわせ
   る)よろしくお願いします」

    電話を切って、班長がテンに近寄
    り、(状況を確認する為に)テンの
    横から目の前の死体を見る

班長「4人の内、2人は眉間を撃ち抜かれて
   死んでる。この正確さは班長によるも
   の、でも後の2人は(テンの方を見な
   がら)まさか」

    そこに、逃げたテロリストを追って
    いたパイが登場。衣装は綺麗系の服
    装+ 赤リップ

パイ「ごめ~ん。(テロリストに)逃げられ
   ちゃった~。班長は?」

   (質問に答えるように)首を振る班長

パイ「惜しい人を亡くしたね~」
班長「(立ち上がって)そんな言葉で片付け
   るな。トクサツにとって緊急事態なん
   だ」
パイ「(テンに近づきながら)ごめんなさい
   (座って部屋を見回しながら)もしか
   してこの子が?(テンが持っている銃
   を取りながら)これで?」
班長「そうかもしれない」

 暗転

    主題歌が流れる。3人がはける。あ
    る程度流して音を小さくする

2場 テロリストのアジト



    暗転中に(ボスが撃った)銃声(S
    E)が鳴る

 照明が点く

    (現場から逃げた同志を殺した後
    に)ボスが拳銃を手にして登場。衣
    装はコート+ シャツ+ パンツ+ 眼
    帯

ボス「役立たずが」

    そこに(ボスに呼ばれた)ローが
    (殺された同志を見ながら)登場。
    黒系動きやすい服装

ロー「なぜカイを殺したのですか?」

    ローに銃を向ける

ボス「私が間違っているとでも言いたいの
   か?」
ロー「(落ち着いた状態で)いえ、間違って
   いるとは思っておりません。理由が知
   りたかったのです」
ボス「(銃をおろして)目撃者を残して逃げ
   帰ってきたからだ。我々はこの国の未
   来の為に命をかけて戦っている。強い
   信念を持たない駒はいらない」
ロー「でも、デルタ様」

    (デルタという名前を呼んだ事に怒
    って)ローに銃を向ける

ボス「その名前で呼ぶなと言ったはずだ、死
   にたいのか?」
ロー「失礼致しました。最近物忘れが激しく
   て」
ボス「ゼロを始末したのは、計画の始まりに
   過ぎない。我々の目的は、邪魔なトク
   サツを壊滅させて、北条総理大臣の命
   を奪い、正義の名の下にこの国の未来
   を変える事。まさか、これも忘れたの
   か?」
ロー「もちろん忘れておりません。あの、一
   つよろしいでしょうか?」
ボス「なんだ?」
ロー「銃をおろして頂けないでしょうか?」
ボス「次はないぞ、ロー」

    ゆっくりと銃をおろすボス

ロー「それで、私は何をすればよろしいので
   しょうか?」
ボス「我々の同志を2人も葬ったゼロの娘
   が、トクサツに保護されている。そい
   つをここに連れて来い」
ロー「連れて?始末ではないのですか?」
ボス「あの厳しい訓練を積んできた2人の命
   を奪った。我々の優秀な駒になるかも
   しれない」
ロー「偶然なのではありませんか?」
ボス「だとしても、自分の意志で引き金を引
   いたのは事実だ。(持っていた銃を差
   し出して)ただし、使い物にならない
   とわかったら始末しろ。生かしておけ
   ば我々の障害になるかもしれない」
ロー「(銃を受け取りながら)かしこまりま
   した」
ボス「トクサツに潜入出来るように、フォロ
   ーを頼んでおく、絶対に失敗するな」
ロー「一つよろしいでしょうか?」
ボス「またか、なんだ?」
ロー「私、あの人の協力を得る事が生理的に
   受け付けないんです」
ボス「(銃を突き付けて)これは仕事だ。死
   にたくなければ、結果を出し続けろ。
   今回の襲撃が成功したら、昇格させて
   やる」
ロー「行って参ります」

    ローがはける。ボスが(スパイに)
    電話をかける

ボス「ローがそっちに向かった。頼んだぞ」

 暗転

    ボスがはける

3場 特殊暗殺班本部・監禁室

    拘束されたテン(手枷をしている)
    が上手側の椅子に座ってスタンバイ
    する。班長が下手の端にスタンバイ
    する

 照明が点く

    意識を失った状態で上手の椅子に座
    っているテン。下手側には腕組みを
    して監視している班長。そこに電話
    がかかって来る。携帯のバイブ音
    (SE)。電話に出るか一瞬ためら
    うが、出る事を決めて、下手側には
    ける

テン「(目を覚まして部屋の中を見回す)ど
   こ?(手枷を見て)なにこれ?(テン
   が手枷を外そうとする)外れないんだ
   けど」

    (泣きそうになりながら恐る恐る)
    立ち上がる。下手側(ドア)に向か
    う。鍵が閉まってる事を表現する
    (SE)が流れる。舞台上に戻るテ
    ン

テン「(鍵が)開かない」

    舞台中央に来て、軽くパニックにな
    る

テン「確かトイレに行こうとして、一階に降
   りて、大きな音がして、それから、そ
   れから」

    上手側を向きながら、(記憶が戻り
    かけて)頭を押さえてうずくまる

テン「それから、それから、それから」

    下手側から課長の園田が登場。衣装
    はスーツスタイル

園田「大丈夫!?」

    園田がテンの肩を叩く。テンが驚
    き、大きな声を出しながら勢いよく
    立ち上がる。その声に驚き、大声を
    出して尻もちをつく園田。そこに班
    長が(声に驚き)入ってくる

班長「園田課長どうしました?(固まってい
   る二人を見て)何してるんですか?」

    我に返った園田が立ち上がり服を正
    す。テンも(恐る恐る)班長と園田
    の方を見る

園田「この子がゼロの娘ね、意識がまだ戻っ
   てないと聞いていたけど」
班長「尻もちをついていましたね」
園田「座っていただけよ」
班長「ひゃー(園田の叫び声をマネする)っ
   て声が聞こえましたけど」
園田「この子の叫び声よ」
班長「2人分聞こえましたけど」
園田「この事を誰かに言ったら、あなたクビ
   よ」
班長「それ、パワハラですよ」
園田「そうよ。何か問題ある?」
班長「就任初日でクビになった二代目班長が
   いたって伝説は残したくないんで、墓
   場まで持っていきます」
園田「伝説じゃない、汚点」
テン「あんた達、誰?ここはどこ?なんでこ
   んな事に(手枷の事を指して)なって
   るの?(段々と興奮していく)」
班長「忘れてた(テンに近づきながら)俺は
   特殊暗殺班、通称トクサツの二代目班
   長、(園田を見ながら)尻もちの人
   は」
園田「(尻もち発言に怒って)クビになりた
   いの?」
班長「そこのキレイなお姉さんは、内閣安全
   保障テロリスト対策課の課長、園田さ
   ん。そしてここは、トクサツ本部の地
   下にある監禁室。そして」
テン「(班長の言葉を遮るように)ちょ、ち
   ょっと待って!監禁?暗殺?テロリス
   ト?私、何かしたの?お願いします!
   殺さないでください(崩れ落ちる)」
園田「なんか、様子おかしくない?」
班長「(テンの前に座りながら)何も覚えて
   ないの?」
テン「一階に降りて、大きな音がして、それ
   から」
班長「その大きな音は、おそらく銃声」
テン「銃声?」
班長「君のお母さんは、トクサツの初代班長
   だった人で、その班長を4人のテロリ
   ストが襲撃した。その内の2人は班長
   が、そして残りの2人を君が殺した」
テン「(混乱して)全然ついていけないんで
   すけど、何かの企画ですか?動画?」
班長「君に残された選択肢は2つ。1つはこ
   のまま死刑になる事」
テン「死刑!?もう1つは?」
班長「俺達の仲間になって、テロリストと戦
   う事」
園田「ちょっと、何勝手な事言ってるの?」
班長「(園田の方を向いて)テロリストは相
   当な訓練を積んでいたはずです。能力
   の無い人間が偶然倒せる相手ではあり
   ません。それに、抜けた穴を早く埋め
   ないと」
園田「だからって、一般人を班に加えるわけ
   にはいかないでしょ。ましてや、記憶
   を失っている状態じゃ足手まといにな
   る」
班長「俺がなんとかします」
テン「どっちも無理。死にたくないし、戦い
   たくもない」
班長「君は、この国の平和を守りたいと思わ
   ないの?」
テン「思いません。これは、悪い夢。朝起き
   たら、顔を洗って、歯を磨いて、朝ご
   はん作って、お母さんと一緒に食べ
   て、メイクして、髪をセットして、大
   学に行って、バイトに行って、夢なん
   ですよね?これ、どうやったら覚める
   んですか?教えてください。私は、私
   は一体どうなるんですか?(頭を抱え
   る)」
園田「記憶が戻ったら連絡して。その時の状
   況によって判断する」

    園田が下手側にはける

班長「(テンに近づきながら)残念だけど、
   これは夢じゃない。現実なんだ」
テン「お母さんに会わせてください」
班長「それは無理。君を守る為に殺されたか
   ら」
テン「嘘、私を、その特殊なんたら班に入れ
   る為に、嘘をついてるんでしょ?」
班長「特殊暗殺班、通称トクサツだ」
テン「(班長を叩きながら)お母さんに会わ
   せて、お母さんに会わせて、お母さん
   に会わせて」
班長「(テンの肩を掴みながら)俺も会いた
   い」

    班長の表情を見て、手を離すテン

班長「君のお母さんは、とても勇気があっ
   て、とても強くて、とても優しかっ
   た。君にもその意志が受け継がれてい
   るはずだ。班長はいつも俺達に、そし
   て自分自身にいつもこう言っていた。
   死にたくなければ戦えと」
テン「私には、出来ない」
班長「出来る。現に2人のテロリストを倒し
   てる」
テン「覚えてないもん(ダンゴムシみたいに
   なる)」
班長「じゃあ、思い出せるまで班長との思い
   出話を」

    そこにパイ(トクサツの情報処理担
    当)が交代の為に来る

パイ「(酔っぱらってふらふらしながら)班
   長~、交代の時間だ~よ」
班長「もうそんな時間か(パイの方を向く)
   また飲んでるのか?」
パイ「(班長に近寄って)そんなに飲んでな
   いって」
班長「(鼻をつまみながら)酒臭い」
パイ「大丈夫、大丈夫、あたし、お酒強いか
   ら」
班長「仕事中は、ほどほどにしとけよ」
パイ「(班長から離れて)目を覚ましたの
   ね、彼女」
班長「でも、事件前後の記憶をなくしてい
   る」
パイ「記憶が戻らなかったらどうなるの?」
班長「死刑になる」
パイ「かわいそ~。あたし、本気出しちゃお
   うかな~」
班長「ほどほどにな(あくびをしながら)少
   し仮眠取るわ」
パイ「永遠に起きなくても良いのよ~」

    班長が下手側にはける

パイ「(テンにゆっくり近づいて座る)なん
   か、ダンゴムシみたいね~」
テン「(パイを見ながら)あなたも、くさ
   っ」
パイ「酒くさって言って、くさっ、だけだと
   傷つくでしょ?」

    テンが(パイの格好を見て)固まる

パイ「何?私の顔に何かついてる?」
テン「(鼻をつまみながら首を振る)あなた
   も、特殊なんたら班なの?」
パイ「(立ち上がって)特殊暗殺班よ~。通
   称はトクサツ。トクサツ、トクサツ、
   トクサツ、トクサツ、トクサツ、トク
   サツ、トクサツ、トクサツ、トクサ
   ツ」
テン「(イラっとして途中で遮る)もう覚え
   ました」
パイ「良かった、馬鹿じゃなくて~」

    (ローが撃った)銃声(SE)が鳴
    る。パイが倒れる

テン「(目の前で起きた事に驚き)え?(パ
   イに近づきながら)大丈夫ですか?」

    続く

代表清原からのメッセージ

コメント

タイトルとURLをコピーしました