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11月本番のアクトスピア第4回主催公演
「平和を守る暗殺者」の
台本を一部公開しています
オーディションへの参加や、観劇の参考にして頂けたら幸いです
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募集要項
こちらのページにまとめています
公演概要
企画・制作:アクトスピア
脚本・演出:清原大夢
本番期間:11/1(火)~11/6(日)
公演期間:11/3(木・祝)~11/6(日)
全8公演を予定
会場:新中野ワニズホール
(東京都中野区本町4-35-10渡辺ビルB1F)
※東京メトロ丸の内線「新中野駅」3番出口から徒歩3分
チケット種:一般チケット 2,500円
特典付き応援チケット 4,500円
※予約したキャストさんのコメント入りソロチェキが付きます
公演時間:本編75分+準備5分+トークイベント10分=約90分
物販種:キャストブロマイド 600円
台本 1,500円
アクトスピアTシャツ⇐検討中
ワンライン:死にたくない主人公が平和を守る為にテロリストと戦う事になる
あらすじ
主人公のテンは、襲撃してきたテロリストを返り討ちにした後、意識を失ってしまう。次に目を覚ました時、そこは秘密裏にテロリストと戦う特殊暗殺班の本部だった。ごく普通の大学生活を送っていたテンに、死刑になるか暗殺をするかの究極の二択が迫る。死にたくなければ戦え。テロの脅威はすぐそこに迫っている。この国の平和を守る為に立ち上がる事が出来るのか。
Aチーム(主人公が男性ver)台本
【登場人物】※衣装のイメージは仮確定。キャストによって変動
テン(男性・19)
主人公。大学生。父親(ゼロ)を目の前で殺されている
部屋着・動きやすい服装
ボス(女性・30)
テロリストのボス。眼帯をしている。国の未来の為に戦う
シャツ+ パンツ+ コート(袖を通さない)+ 眼帯
班長(女性・28)
特殊暗殺班二代目班長。ゼロが死んだ事により、班長に就任した
シャツ+ パンツなどのシンプルな恰好
パイ(女性・22)
特殊暗殺班情報処理担当。明るい性格。酒好き
かわいい系の服装。赤いリップ
ロー(男性・24)
テロリスト。ボスに忠誠を誓っている。敬語が苦手
黒系で動きやすい服装
園田(男性・35)
内閣安全保障テロリスト対策課課長。スーツ+ 青ネクタイ
【セットの説明】
舞台上、上手側に2~3つの椅子(スツール)が置いてある
※稽古にて詳細な場所は確定
【用語の説明】
上手=舞台に向かって右の方※舞台上にいる場合は左手側
下手=舞台に向かって左の方※舞台上にいる場合は右手側
はける=舞台上からいなくなる事
暗転=照明を落として場面転換する事
SE=効果音
お客様への諸注意は事前に録音した物を流す。開場中の音楽が鳴っている。開演時間
になったら暗転。音楽も大きくなる
1場 テンの家
暗転中にテンが登場。手に(父親の)銃を持ち、部屋着の格好で、舞台中央に座って
いる。音楽が流れている最中にテンが泣き始める。音楽が徐々に小さくなる
照明が点く
テンの父親(トクサツの初代班長ゼロ)が4人のテロリストに襲撃されて殺されてし
まった。その内の2人を父親の銃で返り討ちにしたテン。目の前には父親とテロリス
ト4人、計5人の死体が横たわっている
(父親の死と人を殺した事に対して)泣いているテン
テン「(父親の死体を見ながら)父さん、俺、俺」
泣いている途中に(ショックで)意識を失うテン。そこに(ゼロの暗殺を阻止する為
に)銃を構えた班長が登場。衣装はシャツ+ パンツなどのシンプルなもの
班長「班長!(班長の死体を見て)遅かったか」
班長が周囲を警戒しながら安否確認の為にテンに近づいて座る
班長「(肩を揺すりながら)大丈夫?」
班長がテンの脈を首で調べる。班長が安堵の表情を浮かべる。(園田に)電話をかける
班長
班長「(状況は?)班長とテロリスト4名の死亡を確認しました(間に合わなかったか)申し訳
ありません。私がもっと早く気づいていれば(悔やんでも仕方がない、その他に報告は
あるか?)生存者が一名、班長の息子さんです。至急応援を(わかった、すぐに人を向
かわせる)よろしくお願いします」
電話を切って、班長がテンに近寄り、(状況を確認する為に)テンの横から目の前の死
体を見る
班長「4人の内、2人は眉間を撃ち抜かれて死んでる。この正確さは班長によるもの、でも後
の2人は(テンの方を見ながら)まさか」
そこに、逃げたテロリストを追っていたパイが登場。衣装は可愛い系の服装+ 赤リップ
パイ「ごめんなさ~い。(テロリストに)逃げられちゃいました~。班長は?」
(質問に答えるように)首を振る班長
パイ「惜しい人を亡くしましたね~」
班長「(立ち上がって)そんな言葉で片付けないの。トクサツにとって緊急事態なんだから」
パイ「(テンに近づきながら)ごめんなさい(座って部屋を見回しながら)もしかしてこの子
が?(テンが持っている銃を取りながら)これで?」
班長「そうかもしれない」
暗転
主題歌が流れる。3人がはける。ある程度流して音を小さくする
2場 テロリストのアジト
暗転中に(ボスが撃った)銃声(SE)が鳴る
照明が点く
(現場から逃げた同志を殺した後に)ボスが拳銃を手にして登場。衣装はコート+ シャ
ツ+ パンツ+ 眼帯でコートには袖を通さない
ボス「役立たずが」
そこに(ボスに呼ばれた)ローが(殺された同志を見ながら)登場。黒系で動きやす
い服装
ロー「なんで、カイ、殺した?」
(ため口に怒って)ローに銃を向ける
ボス「ため口」
ロー「(少し考えて)なんで、カイを殺したのですか?ゼロは、始末したのに」
ボス「(銃をおろして)目撃者を残して逃げ帰ってきたからだ。我々はこの国の未来の為に命を
かけて戦っている。強い信念を持たない駒はいらない」
ロー「でも、デルタ様」
(デルタという名前を呼んだ事に怒って)ローに銃を向ける
ボス「その名前で呼ぶなと言ったはずだ、死にたいのか?」
ロー「ごめん、なさい、ボス」
ボス「ゼロを始末したのは、計画の始まりに過ぎない。我々の目的は、邪魔なトクサツを壊滅
させて、北条総理大臣の命を奪い、正義の名の下にこの国の未来を変える事。忘れたわ
けではないだろうな」
ロー「忘れてません。お願いします。銃を、おろしてください」
ボス「次はないぞ、ロー」
ゆっくりと銃をおろすボス
ロー「それで、俺は何をすれば?」
ボス「我々の同志を2人も葬ったゼロの息子が、トクサツに保護されている。そいつをここに
連れて来い」
ロー「連れて?始末では?(ため口に気づき)ないのですか?」
ボス「あの厳しい訓練を積んできた2人の命を奪ったんだ。そいつ(テン)は我々の優秀な駒
になるかもしれない」
ロー「偶然では?(ため口に気づき)ないのですか?」
ボス「だとしても、自分の意志で引き金を引いたのは事実。(持っていた銃を差し出して)ただ
し、使い物にならないとわかったら始末しろ。生かしておけば我々の障害になるかもし
れない」
ロー「(銃を受け取りながら)わかりました」
ボス「トクサツに潜入出来るように、フォローを頼んでおく、絶対に失敗するなよ」
ロー「俺、あいつ嫌いです」
ボス「子供みたいな事を言うな、これは仕事だ。死にたくなければ、結果を出し続けろ。今回
の襲撃が成功したら、昇格させてやる」
ロー「行って、きます」
ローがはける。ボスが(スパイに)電話をかける
ボス「ローがそっちに向かった。頼んだぞ」
暗転
ボスがはける
3場 特殊暗殺班本部・監禁室
拘束されたテン(手枷をしている)が上手側の椅子に座ってスタンバイする。班長が
下手の端にスタンバイする
照明が点く
意識を失った状態で上手の椅子に座っているテン。下手側には腕組みをして監視して
いる班長。そこに電話がかかって来る。携帯のバイブ音(SE)。電話に出るか一瞬た
めらうが、出る事を決めて、下手側にはける
テン「(目を覚まして部屋の中を見回す)どこ?(手枷を見て)なんだよこれ」
テンが手枷を外そうとするが、外れない。(恐る恐る)立ち上がる。下手側(ドア)に
向かう。鍵が閉まってる事を表現する(SE)が流れる。舞台上に戻るテン
テン「(鍵が)開いてるわけないか」
他の出口を探る為に壁を調べる
テン「ダメか、(上手側に向かいながら)確かトイレに行こうとして、一階に降りて、大きな音
がして、それから、それから」
上手側を向きながら、(記憶が戻りかけて)頭を押さえてうずくまる
テン「それから、それから、それから」
下手側から課長の園田が登場。衣装はスーツ+ 青ネクタイ
園田「おい、大丈夫か?」
園田がテンの肩を叩く。テンが驚き、大きな声を出しながら勢いよく立ち上がる。そ
の声に驚き、大声を出して尻もちをつく園田。そこに班長が(声に驚き)入ってくる
班長「園田課長どうしました?(固まっている二人を見て)何してるんですか?」
我に返った園田が立ち上がりスーツを正す。テンも(恐る恐る)班長と園田の方を見
る
園田「こいつがゼロの息子か、意識がまだ戻ってないと聞いていたが」
班長「尻もちをついていましたね」
園田「座っていただけだ」
班長「うわぁ(園田の叫び声をマネする)って声が聞こえましたけど」
園田「こいつの叫び声だ」
班長「2人分聞こえましたけど」
園田「この事を誰かに言ったら、お前をクビにする」
班長「パワハラですか?」
園田「そうだ」
班長「就任初日でクビになった二代目班長がいたって伝説は残したくないんで、墓場まで持っ
ていきます」
園田「伝説じゃない、汚点だ」
テン「あのー、あなた達は誰なんですか?ここはどこなんですか?なんで俺はこんな物をつけ
られているんですか?(段々と興奮していく)」
班長「忘れてた。(テンに近づきながら)興奮しないの、私は特殊暗殺班、通称トクサツの二代
目班長、(園田を見ながら)尻もちの人は」
園田「(尻もち発言に怒って)クビになりたいのか?」
班長「スーツでかっこよく決めているのが、内閣安全保障テロリスト対策課の課長、園田さ
ん。そしてここは、トクサツ本部の地下にある監禁室。そして」
テン「(班長の言葉を遮るように)ちょ、ちょっと待ってください!監禁?暗殺?テロリスト?
俺、何かやったんですか?お願いします。殺さないでください(土下座をする)」
園田「おい、様子おかしくないか?」
班長「(テンの前に座りながら)何も覚えてないの?」
テン「トイレに行こうと一階に降りて、大きな音がして、それから」
班長「その大きな音は、おそらく銃声」
テン「銃声?」
班長「あなたのお父さんは、トクサツの初代班長だった人。その班長を4人のテロリストが襲
撃した。その内の2人は班長が、そして残りの2人をあなたが殺した」
テン「(混乱して)全然ついていけない」
班長「あなたに残された選択肢は2つ。1つはこのまま死刑になる事」
テン「もう1つは?」
班長「私達の仲間になって、テロリストと戦う事」
園田「おい、何を勝手な事を」
班長「(園田の方を向いて)テロリストは相当な訓練を積んでいたはずです。能力の無い人間が
偶然倒せる相手ではありません。それに、抜けた穴を早く埋めないと」
園田「だからって、一般人を班に加えるわけにはいかない。ましてや、記憶を失っている状態
じゃ足手まといだ」
班長「私がなんとかします」
テン「どっちも無理です。死にたくないし、戦いたくもない」
班長「この国の平和を守りたいと思わないの?」
テン「思いません。これは、悪い夢だ。朝起きたら、トイレに行って、顔を洗って、歯を磨い
て、朝食を作って、父さんと一緒に食べて、大学に行って、バイトに行って、夢なんで
すよね?これ、どうやったら覚めるんですか?教えてください。俺は、俺は(頭を抱え
る)」
園田「記憶が戻ったら連絡しろ。その時の状況によって判断する」
園田が下手側にはける
班長「(テンに近づきながら)残念だけど、これは夢じゃない。現実なの」
テン「父さんに会わせてください」
班長「それは無理。あなたを守る為に殺されたから」
テン「嘘だ、俺を、その特殊なんたら班に入れる為に、嘘をついているんだ」
班長「特殊暗殺班、通称トクサツね」
テン「(班長に掴みかかりながら)父さんに会わせろ、父さんに会わせろ、父さんに会わせろ」
班長「(テンの腕を掴みながら)私も会いたい」
班長の表情を見て、手を離すテン
班長「あなたのお父さんは、とても勇気があって、とても強くて、とても優しかった。あなた
にもその意志が受け継がれているはず。班長はいつも私達に、そして自分自身にいつも
こう言っていた。死にたくなければ戦えと」
テン「俺には、出来ない」
班長「出来る。現に2人のテロリストを倒してる」
テン「覚えてない(ダンゴムシみたいになる)」
班長「じゃあ、思い出せるまで班長の話をしてあげる」
そこにパイ(トクサツの情報処理担当)が交代の為に来る
パイ「(酔っぱらってふらふらしながら)班長~、交代の時間で~すよ」
班長「もうそんな時間か(パイの方を向く)また飲んでるの?」
パイ「(班長に近寄って)そんなに飲んでませんよ~」
班長「(鼻をつまみながら)酒臭い」
パイ「大丈夫ですって、私、お酒強いですから」
班長「仕事中は、ほどほどにね」
パイ「(班長から離れて)目を覚ましたんですね彼」
班長「でも、事件前後の記憶をなくしてる」
パイ「記憶が戻らなかったらどうなるんですか~?」
班長「死刑になる」
パイ「かわいそ~。思い出させてあげたい」
班長「お願いね(あくびをしながら)肌に悪いから少し寝る」
班長が下手側にはける
パイ「(テンにゆっくり近づいて座る)なんか、ダンゴムシみたいだね~」
テン「(パイを見ながら)あんたも、くさっ」
パイ「酒くさって言って、くさっ、だけだと傷つく」
テン「(鼻をつまみながら)あんたも特殊なんたら班なのか?」
パイ「(立ち上がって)特殊暗殺班だよ~。通称はトクサツ。トクサツ、トクサツ、トクサツ、
トクサツ、トクサツ、トクサツ、トクサツ、トクサツ、トクサツ」
テン「(イラっとして途中で遮る)もう覚えたよ」
パイ「ほんと~、覚えてくれて嬉しい~」
(ローが撃った)銃声(SE)が鳴る。パイが倒れる
テン「(目の前で起きた事に驚き)え?(パイに近づきながら)大丈夫ですか?」
続く
Bチーム(主人公が女性ver)台本
【登場人物】※衣装のイメージは仮確定。キャストによって変動
テン(女性・19)
主人公。大学生。母親(ゼロ)を目の前で殺されている
部屋着・動きやすい服装
ボス(男性・35)
テロリストのボス。眼帯をしている。国の未来の為に戦う
シャツ+ パンツ+ コート+ 眼帯
班長(男性・31)
特殊暗殺班二代目班長。ゼロが死んだ事により、班長に就任した
シャツ+ パンツ+ サスペンダーなどのシンプルな恰好
パイ(男性・28)
特殊暗殺班情報処理担当。女性の言葉を使う。酒好き
綺麗系の服装。赤いリップ
ロー(女性・22)
テロリスト。ボスに忠誠を誓っている。たまに抜けている
黒系で動きやすい服装
園田(女性・35)
内閣安全保障テロリスト対策課課長。スーツスタイル
【セットの説明】
舞台上、上手側に2~3つの椅子(スツール)が置いてある
※稽古にて詳細な場所は確定
【用語の説明】
上手=舞台に向かって右の方※舞台上にいる場合は左手側
下手=舞台に向かって左の方※舞台上にいる場合は右手側
はける=舞台上からいなくなる事
暗転=照明を落として場面転換する事
SE=効果音
お客様への諸注意は事前に録音した物を流す。開場中の音楽が鳴っている。開演時間
になったら暗転。音楽も大きくなる
1場 テンの家
暗転中にテンが登場。手に(母親の)銃を持ち、部屋着の格好で、舞台中央に座って
いる。音楽が流れている最中にテンが泣き始める。音楽が徐々に小さくなる
照明が点く
テンの母親(トクサツの初代班長ゼロ)が4人のテロリストに襲撃されて殺されてし
まった。その内の2人を母親の銃で返り討ちにしたテン。目の前には母親とテロリス
ト4人、計5人の死体が横たわっている
(母親の死と人を殺した事に対して)泣いているテン
テン「(母親の死体を見ながら)お母さん、私、私」
泣いている途中に(ショックで)意識を失うテン。そこに(ゼロの暗殺を阻止する為
に)銃を構えた班長が登場。衣装はシャツ(サスペンダー検討)+ パンツなどのシンプ
ルなもの
班長「班長!(班長の死体を見て)遅かったか」
班長が周囲を警戒しながら安否確認の為にテンに近づいて座る
班長「(肩を揺すりながら)大丈夫か?」
班長がテンの脈を手首で調べる。班長が安堵の表情を浮かべる。(園田に)電話をかけ
る班長
班長「(状況は?)班長とテロリスト4名の死亡を確認しました(間に合わなかったか)申し訳
ありません。俺がもっと早く気づいていれば(悔やんでも仕方がない、その他に報告は
ある?)生存者が一名、班長の娘さんです。至急応援を(わかった、すぐに人を向かわ
せる)よろしくお願いします」
電話を切って、班長がテンに近寄り、(状況を確認する為に)テンの横から目の前の死
体を見る
班長「4人の内、2人は眉間を撃ち抜かれて死んでる。この正確さは班長によるもの、でも後
の2人は(テンの方を見ながら)まさか」
そこに、逃げたテロリストを追っていたパイが登場。衣装は綺麗系の服装+ 赤リップ
パイ「ごめ~ん。(テロリストに)逃げられちゃった~。班長は?」
(質問に答えるように)首を振る班長
パイ「惜しい人を亡くしたね~」
班長「(立ち上がって)そんな言葉で片付けるな。トクサツにとって緊急事態なんだ」
パイ「(テンに近づきながら)ごめんなさい(座って部屋を見回しながら)もしかしてこの子
が?(テンが持っている銃を取りながら)これで?」
班長「そうかもしれない」
暗転
主題歌が流れる。3人がはける。ある程度流して音を小さくする
2場 テロリストのアジト
暗転中に(ボスが撃った)銃声(SE)が鳴る
照明が点く
(現場から逃げた同志を殺した後に)ボスが拳銃を手にして登場。衣装はコート+ シャ
ツ+ パンツ+ 眼帯
ボス「役立たずが」
そこに(ボスに呼ばれた)ローが(殺された同志を見ながら)登場。黒系動きやすい
服装
ロー「なぜカイを殺したのですか?」
ローに銃を向ける
ボス「私が間違っているとでも言いたいのか?」
ロー「(落ち着いた状態で)いえ、間違っているとは思っておりません。理由が知りたかったの
です」
ボス「(銃をおろして)目撃者を残して逃げ帰ってきたからだ。我々はこの国の未来の為に命を
かけて戦っている。強い信念を持たない駒はいらない」
ロー「でも、デルタ様」
(デルタという名前を呼んだ事に怒って)ローに銃を向ける
ボス「その名前で呼ぶなと言ったはずだ、死にたいのか?」
ロー「失礼致しました。最近物忘れが激しくて」
ボス「ゼロを始末したのは、計画の始まりに過ぎない。我々の目的は、邪魔なトクサツを壊滅
させて、北条総理大臣の命を奪い、正義の名の下にこの国の未来を変える事。まさか、
これも忘れたのか?」
ロー「もちろん忘れておりません。あの、一つよろしいでしょうか?」
ボス「なんだ?」
ロー「銃をおろして頂けないでしょうか?」
ボス「次はないぞ、ロー」
ゆっくりと銃をおろすボス
ロー「それで、私は何をすればよろしいのでしょうか?」
ボス「我々の同志を2人も葬ったゼロの娘が、トクサツに保護されている。そいつをここに連
れて来い」
ロー「連れて?始末ではないのですか?」
ボス「あの厳しい訓練を積んできた2人の命を奪った。我々の優秀な駒になるかもしれない」
ロー「偶然なのではありませんか?」
ボス「だとしても、自分の意志で引き金を引いたのは事実だ。(持っていた銃を差し出して)た
だし、使い物にならないとわかったら始末しろ。生かしておけば我々の障害になるかも
しれない」
ロー「(銃を受け取りながら)かしこまりました」
ボス「トクサツに潜入出来るように、フォローを頼んでおく、絶対に失敗するな」
ロー「一つよろしいでしょうか?」
ボス「またか、なんだ?」
ロー「私、あの人の協力を得る事が生理的に受け付けないんです」
ボス「(銃を突き付けて)これは仕事だ。死にたくなければ、結果を出し続けろ。今回の襲撃が
成功したら、昇格させてやる」
ロー「行って参ります」
ローがはける。ボスが(スパイに)電話をかける
ボス「ローがそっちに向かった。頼んだぞ」
暗転
ボスがはける
3場 特殊暗殺班本部・監禁室
拘束されたテン(手枷をしている)が上手側の椅子に座ってスタンバイする。班長が
下手の端にスタンバイする
照明が点く
意識を失った状態で上手の椅子に座っているテン。下手側には腕組みをして監視して
いる班長。そこに電話がかかって来る。携帯のバイブ音(SE)。電話に出るか一瞬た
めらうが、出る事を決めて、下手側にはける
テン「(目を覚まして部屋の中を見回す)どこ?(手枷を見て)なにこれ?(テンが手枷を外そ
うとする)外れないんだけど」
(泣きそうになりながら恐る恐る)立ち上がる。下手側(ドア)に向かう。鍵が閉まっ
てる事を表現する(SE)が流れる。舞台上に戻るテン
テン「(鍵が)開かない」
舞台中央に来て、軽くパニックになる
テン「確かトイレに行こうとして、一階に降りて、大きな音がして、それから、それから」
上手側を向きながら、(記憶が戻りかけて)頭を押さえてうずくまる
テン「それから、それから、それから」
下手側から課長の園田が登場。衣装はスーツスタイル
園田「大丈夫!?」
園田がテンの肩を叩く。テンが驚き、大きな声を出しながら勢いよく立ち上がる。そ
の声に驚き、大声を出して尻もちをつく園田。そこに班長が(声に驚き)入ってくる
班長「園田課長どうしました?(固まっている二人を見て)何してるんですか?」
我に返った園田が立ち上がり服を正す。テンも(恐る恐る)班長と園田の方を見る
園田「この子がゼロの娘ね、意識がまだ戻ってないと聞いていたけど」
班長「尻もちをついていましたね」
園田「座っていただけよ」
班長「ひゃー(園田の叫び声をマネする)って声が聞こえましたけど」
園田「この子の叫び声よ」
班長「2人分聞こえましたけど」
園田「この事を誰かに言ったら、あなたクビよ」
班長「それ、パワハラですよ」
園田「そうよ。何か問題ある?」
班長「就任初日でクビになった二代目班長がいたって伝説は残したくないんで、墓場まで持っ
ていきます」
園田「伝説じゃない、汚点」
テン「あんた達、誰?ここはどこ?なんでこんな事に(手枷の事を指して)なってるの?
(段々と興奮していく)」
班長「忘れてた(テンに近づきながら)俺は特殊暗殺班、通称トクサツの二代目班長、(園田を
見ながら)尻もちの人は」
園田「(尻もち発言に怒って)クビになりたいの?」
班長「そこのキレイなお姉さんは、内閣安全保障テロリスト対策課の課長、園田さん。そして
ここは、トクサツ本部の地下にある監禁室。そして」
テン「(班長の言葉を遮るように)ちょ、ちょっと待って!監禁?暗殺?テロリスト?私、何か
したの?お願いします!殺さないでください(崩れ落ちる)」
園田「なんか、様子おかしくない?」
班長「(テンの前に座りながら)何も覚えてないの?」
テン「一階に降りて、大きな音がして、それから」
班長「その大きな音は、おそらく銃声」
テン「銃声?」
班長「君のお母さんは、トクサツの初代班長だった人で、その班長を4人のテロリストが襲撃
した。その内の2人は班長が、そして残りの2人を君が殺した」
テン「(混乱して)全然ついていけないんですけど、何かの企画ですか?動画?」
班長「君に残された選択肢は2つ。1つはこのまま死刑になる事」
テン「死刑!?もう1つは?」
班長「俺達の仲間になって、テロリストと戦う事」
園田「ちょっと、何勝手な事言ってるの?」
班長「(園田の方を向いて)テロリストは相当な訓練を積んでいたはずです。能力の無い人間が
偶然倒せる相手ではありません。それに、抜けた穴を早く埋めないと」
園田「だからって、一般人を班に加えるわけにはいかないでしょ。ましてや、記憶を失ってい
る状態じゃ足手まといになる」
班長「俺がなんとかします」
テン「どっちも無理。死にたくないし、戦いたくもない」
班長「君は、この国の平和を守りたいと思わないの?」
テン「思いません。これは、悪い夢。朝起きたら、顔を洗って、歯を磨いて、朝ごはん作っ
て、お母さんと一緒に食べて、メイクして、髪をセットして、大学に行って、バイトに
行って、夢なんですよね?これ、どうやったら覚めるんですか?教えてください。私
は、私は一体どうなるんですか?(頭を抱える)」
園田「記憶が戻ったら連絡して。その時の状況によって判断する」
園田が下手側にはける
班長「(テンに近づきながら)残念だけど、これは夢じゃない。現実なんだ」
テン「お母さんに会わせてください」
班長「それは無理。君を守る為に殺されたから」
テン「嘘、私を、その特殊なんたら班に入れる為に、嘘をついてるんでしょ?」
班長「特殊暗殺班、通称トクサツだ」
テン「(班長を叩きながら)お母さんに会わせて、お母さんに会わせて、お母さんに会わせて」
班長「(テンの肩を掴みながら)俺も会いたい」
班長の表情を見て、手を離すテン
班長「君のお母さんは、とても勇気があって、とても強くて、とても優しかった。君にもその
意志が受け継がれているはずだ。班長はいつも俺達に、そして自分自身にいつもこう言
っていた。死にたくなければ戦えと」
テン「私には、出来ない」
班長「出来る。現に2人のテロリストを倒してる」
テン「覚えてないもん(ダンゴムシみたいになる)」
班長「じゃあ、思い出せるまで班長との思い出話を」
そこにパイ(トクサツの情報処理担当)が交代の為に来る
パイ「(酔っぱらってふらふらしながら)班長~、交代の時間だ~よ」
班長「もうそんな時間か(パイの方を向く)また飲んでるのか?」
パイ「(班長に近寄って)そんなに飲んでないって」
班長「(鼻をつまみながら)酒臭い」
パイ「大丈夫、大丈夫、あたし、お酒強いから」
班長「仕事中は、ほどほどにしとけよ」
パイ「(班長から離れて)目を覚ましたのね、彼女」
班長「でも、事件前後の記憶をなくしている」
パイ「記憶が戻らなかったらどうなるの?」
班長「死刑になる」
パイ「かわいそ~。あたし、本気出しちゃおうかな~」
班長「ほどほどにな(あくびをしながら)少し仮眠取るわ」
パイ「永遠に起きなくても良いのよ~」
班長が下手側にはける
パイ「(テンにゆっくり近づいて座る)なんか、ダンゴムシみたいね~」
テン「(パイを見ながら)あなたも、くさっ」
パイ「酒くさって言って、くさっ、だけだと傷つくでしょ?」
テンが(パイの格好を見て)固まる
パイ「何?私の顔に何かついてる?」
テン「(鼻をつまみながら首を振る)あなたも、特殊なんたら班なの?」
パイ「(立ち上がって)特殊暗殺班よ~。通称はトクサツ。トクサツ、トクサツ、トクサツ、ト
クサツ、トクサツ、トクサツ、トクサツ、トクサツ、トクサツ」
テン「(イラっとして途中で遮る)もう覚えました」
パイ「良かった、馬鹿じゃなくて~」
(ローが撃った)銃声(SE)が鳴る。パイが倒れる
テン「(目の前で起きた事に驚き)え?(パイに近づきながら)大丈夫ですか?」
続く
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